Z世代とともに創る新しい職場~特徴と育成のコツ~
「Z世代」と聞くと、X世代(43~58歳)の方は、つい中学生や高校生を思い浮かべてしまうかもしれません。しかし、実際のZ世代は13~27歳の若者を指し、今や職場の若手社員の多数がこの世代です。採用はもちろん、組織の文化や働き方にも大きな影響を与える存在となっています。 今後10年、企業の成長・変革を担う「主役」へと移り変わっていくでしょう。 Z世代は、1990年代後半から2010年代初頭に生まれたデジタルネイティブ世代です。多様性や自己実現を重んじる価値観が特徴で、従来世代とは異なる側面を持っています。Z世代を組織で活躍させるためには、従来型の育成方法・マネジメントスタイルを見直し、Z世代に合わせた方法を考える必要があります。これを怠ると、特に新卒採用を主軸にしている企業では、将来の人材確保・組織の持続的成長に大きな影響が出かねません。 実際、「新卒3年以内離職率 約30%」という現象は昔に比べて高まっているように感じるかもしれません。ですが、厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」調査によると、この数字は1980年代後半以降、ほぼ横ばいです。しかし、離職の背景は時代とともに変化・多様化しています。 【新卒離職の主な背景】 ◆リアリティショック(理想と現実の大きなギャップに戸惑いや失望を感じやすい) ◆働き方や価値観の多様化(「仕事=人生」の意識が薄まり自分らしいキャリアを追求したい) ◆雇用流動性の増加・転職市場の活発化(転職サイト普及・終身雇用や年功序列の崩壊) ◆育成環境・職場風土の問題(「放任型」や「昔ながらの厳しい上下関係」に馴染みにくい) ◆入社・配属後のアンマッチ(職種・勤務地・環境) ◆将来への不安(成長実感の不足・自分の成長やキャリアパスが見えない) Z世代の育成には、どのようなマネジメントが必要か。まずはZ世代の価値観を理解することです。価値観をまとめてみると、「違いを認める:多様な価値観や背景を受け入れる」、「理由や目的を伝える:仕事の意味や目標を説明する」、「デジタルを活用する:チャットやクラウドで情報共有する」、「社会的意義を明確にする:仕事が社会にどう役立つか伝える」、「ワークライフバランスに配慮する:柔軟な働き方を認める」、「フラットな関係性を築く:役職や年齢に関係なく意見交換する」です。これらのポイントを意識して接することで、Z世代の価値観を正しく理解し、組織の中で活躍してもらえる環境づくりにつながります。 一定数の管理職の方は、既に理解し行動していることかもしれません。「デジタルを活用する」に不安を感じる管理職の方も多いでしょう。 Z世代はインターネットやスマートフォンが当たり前の環境で育ったため、情報共有や業務管理にもデジタルツールを強く求めます。スピーディな情報共有やITツールへの柔軟な対応が重視され、従来の紙文化や非効率なやり方には不満を持ちやすい傾向があります。コミュニケーションや業務管理にデジタルツール(チャット・クラウド・タスク管理ツール等)を積極的に取り入れることは必至です。Z世代の得意分野を活かし、デジタル化推進の中心的な役割を任せてみるのも良いでしょう。 Z世代を完璧に理解しようとせずとも、まずは歩み寄りが大切です。新卒3年以内離職率が40%、50%になってしまったら、将来の人員不足に必ず影響してきます。そうならないためにも、Z世代の強みを引き出し、会社の成長へと結び付けるためには、部下育成の手法も時代に合わせてアップデートしていくことが必要です。 Z世代の力を活かすことで、組織の成長だけでなく、管理職自身も新たな価値観やスキルを得ることができます。ぜひこの機会に、ご自身と組織の可能性を広げてください。 【まとめ】Z世代から期待される具体的な上司像 ◆指示待ちではなく、対話や共感を重視し、納得と成長をサポートできる存在。 ◆時代変化やテクノロジーを積極的に受け入れて、柔軟な働き方や考え方をリードできる存在。 ◆上から押し付けるのではなく、共に考え・共に動く伴走型リーダー。 【ご参考】Z世代を育成していく上司やリーダー層に効果的な教育施策 ◆デジタル世代とのギャップを埋めるための「デジタル・IT活用研修」 ◆社会的意義や仕事の目的意識を明確に伝える力を養う「エンゲージメントマネジメント研修」 ◆上下関係よりもフラットな関係やチームワーク構築を学ぶ「フラットな組織マネジメント研修」 ◆サーバント型・伴走型リーダーを学ぶ「リーダーシップ多様化研修」 管理職の方は、まずはZ世代とじっくり対話することから始めてみてはいかがでしょうか。 新しい視点や気づきが得られるはずです。 以上




