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column

鬼が笑っても、来年の段取りを!

今週から12月。忘年会等、年末ならではのイベントもあり、「できるだけ年内に成果や結論をだしておきたい」という日本人的な?心理もあって、今月は、慌ただしい日々を過ごす人は少なくないだろう。そんな最中に、来年の事をいうと鬼に笑うと言われそうだが、来年2020年(令和2年)が、いつもの年とは違う状況になりそうな事は、予め踏まえていたほうがよい。

来年は何といっても、7月から9月にかけて開催される東京オリンピック・パラリンピックを中心に様々な日程が展開していく年となる。祝日の日取りは今年と異なり、いままで10月だった「体育の日」が「スポーツの日」として、オリンピックの開会式に合わせて、「海の日」の翌日の7月24日(金)となり、オリンピックの閉会式は、8月10日(月)の「山の日」の前日、9日(日)に設定されている。その直後から、多くの会社が休暇を取るお盆休みの1週間があり、さらにその後、8月25日から9月6日まで、今度はパラリンピックが開催される。

また、新しい天皇が即位された事で、来年から天皇誕生日は12月から2月に移るため、ただでさえ日数が少ない2月に祝日がもう一つ増える。また、昨年の有給消化義務化の法改正もあり、ゴールデンウィークの飛び石を利用して、有休休暇を指定する動きも高まり、1週間を超す長期休暇とする企業も少なくないのではないか。ついでに言うと、9月には、月曜日と火曜日に敬老の日と秋分の日が続くので、土日と合わせると4連休となる。

まとまった休みが提供される環境ができる事は、ワークライフバランスの改善という観点から歓迎される事かも知れないが、一方で、休みをしっかり取る分、就業中はそれを埋め合わせるべく、業務に集中し生産性を高めて、個人や組織としてのアウトプットは、しっかり出して行かないと、競争力が保てないと考えるのは自然な事だろう。

ところが、東京を中心としたオリンピック・パラリンピックの競技会場周辺には、開催期間中、相当数の観客や関係者が集まる事になるので、いつもと同じような仕事環境を期待することは難しいかもしれない。来年のオリンピックの予想観客数は800万人、パラリンピックは300万人という試算もあり、さらにイベントに合わせて入国する訪日観光客の増加も見込むと、来年の7月~9月の東京は、ピーク時は、いつもの倍ぐらいの人口が存在する状況を想定していたほうがよいだろう。それなりに対策がなされるとはいえ、道路や交通機関の渋滞や混雑は相当なものになるだろうし、ホテル等の宿泊施設の空きはなく、かつ料金も高騰することになる、と覚悟しておいたほうがよさそうだ。

さらに、2002年の日韓共同開催のサッカーワールドカップの時もそうだったが、平日の昼間に日本のゲームが行われる際は、就業時間中にTV観戦を許したり、休暇扱いにした企業も少なくなかったことを考えると、一生に一度あるかどうかのビッグイベントで日本のチームや選手が大活躍していて心が落ち着かず、国民全体として、その間、仕事をしていても気が散って、生産性が高まらないという事態も想像しうる。

いっそ、こうした状況を見越して、リモートワークの積極的な推奨期間にしたり、在宅勤務に切り替えてしまったほうが、社員が移動することで疲弊するより、仕事の効率ははるかに上がるかも知れない。

いずれにせよ、来年の計画は、いつも以上に綿密に行っておくに越したことはないだろう。普通に考えれば、偶発的にやってきた変則的な年への対応ということになるが、東日本大震災の後、電力不足というやむを得ない状況を通じて、クールビズなど軽装・カジュアル化が結果として進んだ側面もあり、むしろ、そうした素直な?日本人の性格を利用して、来年はチャンスと考え、働き方に対する様々な課題解決や改革を推進する好機ととらえてもよいのかもしれない。

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