©️ Transtructure Co.,Ltd.All Rights Reserved.

MENU

©️ Transtructure Co.,Ltd.All Rights Reserved.

column

人財要件が先、どの等級かは後!

 教育体系構築をご支援する機会が重なったことを踏まえ、今、感じていることを共有差し上げます。本稿では、「教育体系という表現」と「体系について考える順序」について取り上げます。

 まず「教育体系」という表現についてです。
もし、「正解が存在して、それを一方的に教える内容ばかり」であれば、教育体系という名称のままで良いと思います。

 しかし、「マネジメント層は、新人からデジタル機器の使い方を教えてもらうことが少なくない」といった例でもおわかりのように、状況に応じて役割を変えて「互いに学び合う」プロセスを促進する場づくり・関係づくりが重要な状況が増えてきています。

 「ある時は教える側、別の時には教わる側」と役割を交代しながら、「異なる強みを活かしていく」ことは、DE&I(ダイバーシティ、エクイティー&インクルージョン)という観点からも、リスキリングの観点からも重視すべきだと考えています。

 そのため、これまで教育体系と呼んできたモノは、今後は「学習体系」などに名称を替えた方が良いように感じています。

 市場等にもよるのかもしれませんが、今後は、多くの組織で「唯一絶対解がない中で、議論を通して学び合い、多角的な検討を経て意思決定をしていく」といったワークショップ型のプログラムを「学習体系」の中で増やしていくことが求められるのではないでしょうか?

 次は、「学習体系について考える順序」の話です。

 これも、市場の特性などによって判断が分かれて当然だと思いますが…例えば、「経営ヴィジョンや、〇年後に目標とする状態を定めて、それを実現させるための事業戦略を練り、その事業戦略を実行できる組織・人財となるように施策を検討する」という順序で考え、学習体系構築に反映させようとする場合について考えてみましょう。

 これを言い換えると、「事業内容、求められる業務内容が想定され、それを遂行できる組織・人財の要件を定めて、その要件を満たせるように育成するという順序で検討する」ということです。

 すると、学習体系構築の段取りとしては「求められる業務内容を具体的に把握」し、「人財の現有能力を把握」し、「それらのギャップを埋めるように施策を検討」し、「それぞれの施策をどの人財に適用するかを考える」(…人財要件の設定が先、等級や強み・弱みなどへの当てはめは後)といった順序になります。

 現場の見解を入れず、「等級が先にあって、その等級の人財要件を概念的に検討する」というアプローチだと、「御社独自の事業戦略から乖離した育成計画」(絵に描いた餅)となってしまいかねません。

 また、等級に囚われすぎてしまうと、「○○で強みを持った人財を抜擢して登用する」といった人財のダイナミックな活かし方(組織能力の新たな発揮方法)を想像しづらくなってしまうので、非常にもったいないと思います。

 「人事のための人事」ではなく「事業に貢献する人事」にシフトしていくのであれば、「事業戦略の実行に至る道のりについて、求められる学習内容のレベルにまで噛み砕き、どの人財に何を学ぶことを推奨するのか?」(標準化→個別対応)を整理した学習体系の構築をお薦めしたいと思います。

コラムを読んだら投票を!

コラムをお読みいただきありがとうございます。 今後、さらに興味深いコラムの提供やセミナーテーマの参考とさせていただきますので、ご感想の選択をお願い致します。
※投票いただくと、これまでの感想をグラフで見ることができます。

このコラムの平均評価

投票いただくとこのコラムの評価が表示されます。

点/5点
  • 大変興味深い
  • 興味深い
  • ふつう
  • つまらない
  • 大変つまらない
このコラムの感想
  • 大変興味深い
  • 興味深い
  • ふつう
  • つまらない
  • 大変つまらない