2023.12.11
社員アンケートに真剣に答えてもらうには
「社内アンケート」と聞いて、どのようなものを思い浮かべるでしょうか?モチベーションサーベイ、パルスサーベイ、ストレスチェック、職場環境調査、360度診断…一口に「アンケート」といっても社内で実施するアンケートとして、様々なものが存在します。 弊社でも「モチベーションサーベイ(社員満足度調査)」「360度診断」は調査分析のサービスとして提供しています。このところ着目していることとしては、はたして回答者である社員のみなさんはどのような気持ちでアンケートに答え、捉えているのか?ということです。 アンケートに対して負担を感じている、面倒くさいと思っている、期待している、本音を伝えるチャンスと思っている…様々な捉え方があるでしょう。アンケートを実施するのならば、本音で、忖度なく回答してもらう必要があります。そのためには、アンケートを実施する側の姿勢や投げかけがとにかく重要なポイントだと思うのです。 なぜアンケートを取るのかというと、「社員からの声を拾い上げ、それらを反映させて会社をよくするため」。シンプルにまとめればこういうことではないでしょうか。今後の会社の発展のために、会社の様々な環境、仕組み、業務を整え、さらに成果をあげてもらう、その検討材料としてアンケートは実施されます。果たしてその意図、目的が回答者に正しく、熱意を持って伝えているでしょうか。 また、よくあるアンケートに関するご相談としては、「アンケートは実施したが、結果を放置」「結果を経営陣や担当部署のみに限定して社員にオープンにできていない」というものがあります。せっかくアンケートを取ったとしても、その結果を使って会社として何をするのかがわからないようなアンケートは答える側としては答えたくありません。忙しい中を縫って回答時間を捻出するのならば、自分が答えた内容が返ってくることを人間は求めるでしょう。毎年実施していたとしても、結果のフィードバックもなければ次は答えたくなくなります。 それでは、期待を持って、前向きにアンケートに取り組んでもらうには、どうすればいいでしょうか。 最後に以下の3点にまとめます。 ①アンケートの意図、目的を明確に回答者に伝える 初めが肝心ということです。回答開始前に、なぜこのアンケートが実施されるのか、そして結果をどのように活用し、どのように開示するのかを明確に伝える必要があります。方法はメールや、イントラ、各組織長からメンバーに落としてもらうなど様々な方法が考えられます。もっとも効果があると考えられるのは、アンケートを管轄する担当者、または経営層から直接言葉で伝えることだと思います。本気で取り組む姿勢と言葉は期待感を醸成させることでしょう。会社規模などで可能、不可能はあると思いますが、アンケート前に各拠点を回って説明会を実施するような例もあります。 ②すべて解決はできなくても、優先順位を付けてアンケート結果を踏まえた施策を実施する とにかくアンケート結果を放置しないことです。アンケート項目が多い場合、しかも多く課題が見つかってしまった場合、どこから手をつけるべきかわからず放置してしまうことがあるかもしれません。優先順位をつけ、何から取り組むのかをはっきりさせて少しずつでも進んでいくことで、アンケートの意味が出てきます。社員はそれを見て、答えた結果が反映される実感を持ち、「答え損」という気持ちは無くなるはずです。 ③結果は社員に開示する 自分の会社の仲間はどういう意識なのか知ってもらうことは重要です。開示する粒度は様々ですが、大きく集計した結果だけでも開示することで、会社がオープンに見せてくれるという意識になり、また、結果から業務改善に取り組む人も出る可能性もあります。特に、組織長、管理職レベルには、自身の組織の結果をしっかり開示し、それを受けて組織内で取り組むべきことなどを検討してもらうのは重要です。アンケートを実施したのが人事部だとしたらば、「アンケート結果を見て動くのは人事部でしょ」という意識は排除させるべきです。自分事として受け取る仕組みを作ることです。