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HR DATA

教育研修費
~変化対応のための人への投資~

 日本企業のこの数十年での世界における競争力の低下の原因として、「人への投資」不足があげられます。日本は世界の中でも、能力開発費用の割合が他国に比べて圧倒的に少ない状況です。このような状況を打破するためには、「人への投資」の抜本強化が必要と言われています。
 各企業、従業員に対する教育研修をコストと捉えるか、投資と捉え有効な施策を展開できるかが非常に重要なポイントとなります。
 これまでのOFF-JTに支出した企業割合と、一人当たりの額の平均の推移を見ると、企業割合は徐々にではありますが増えていました。しかし、コロナウィルス蔓延という経験のない社会情勢となり、その影響から支出した企業割合、労働者一人当たりへの平均額は減少しています。コロナウィルスにより一変した社会、生活、そしてそれを契機に労働者の働き方への価値観も変わりました。この社会の変化と価値観の変化に対応した人材育成の指針策定と実行が求められるのではないでしょうか。つまり、いままで毎年やってきた研修を繰り返すのではなく、今後数年を見通して、会社の経営計画とそれを実現するために必要な人材はどのような人材なのかを明確にし、それに則した研修の組立がより重要となるのです。

図表1:OFF-JTに費用支出した企業割合とOFF-JTに支出した費用の労働者一人当たり平均額の推移

出典:厚生労働省 令和3年度能力開発基本調査

 教育予算を策定する際に最も優先する基準としては、「前年度の実績額」が最も多いという調査結果があります。前年度の予算額と合計すると61%となり、前年度ベースでの教育予算策定が圧倒的に多い結果です。
 人を資本と捉え、激しい時代に対応できる人材を育成することが企業の成長につながると考えるのであれば、適宜適切な教育研修の提供が必要です。それが予算策定は前年度踏襲であると、施策を実行したくてもできない可能性も出てきます。

図表2: 教育研修費用予算を策定する際に最も優先する基準

出典:産労総合研究所 2021年度 教育研修費用の実態調査

 コロナ以降、劇的に変わった社会の中で、勝ち抜いていくためこれまでの教育研修を見直すのは必須です。企業に必要なスキル-保有スキルで不足する部分を埋めるためにどのような教育を施すのか、それは人事部だけの課題ではなく、企業全体としての課題と捉えるべきです。企業として、この先どのような経営をし、何を生み出すのか、そこにはどのような人材が必要なのかを明確にし、会社全体として教育研修にどれほど力を入れていくのか、未来と人への投資を結びつけた考え方がより一層重要となるでしょう。

以上