投稿日:2021.03.22 最終更新日:2024.04.04
都道府県別人口
~深刻化する人口減少と都道府県間格差~
現在わが国の人口は減少傾向です。2008年をピークに減少が始まり、2011年以降9年連続で減少しています。そして、国立社会保障・人口問題研究所の調査によると2040年代後半には1億人を割るという推計まで出ています。また、人口減少問題を都道府県別にみると、より深刻な状況がわかります。例えば、都市部への一極集中で都道府県間の人口格差が広がっています。その結果、人口減少の著しい都道府県はマーケットとしての魅力を大きく失いつつあります。
人口の絶対数で見ると、2015年は上位25%の都道府県だけで全人口の60%の割合を占めています。一方、下位25%の都道府県が全人口に占める割合は8%程度です。以上から、一部の都道府県に人口が集中し、人口格差が発生している事が分かります。
2030年時(推計)の人口で見ると、ランキング上位では、東京都、神奈川県、愛知県等は数値が大きく変わらず、依然としてマーケットの魅力が高いと言えます。一方、大阪府と北海道は減少数が約60万人と大きく、マーケットの魅力が大きく下がります。
また、ランキング下位では、宮崎県、富山県、秋田県が100万人を割ります。このことから、相対的な増減数は平均程度ですが、マーケット魅力の低下は避けられません。
出典:総務省『国勢調査』2015年時の人口ランキング上位・下位25%を抜粋したもの。また、2030年時の数値はランキングではなく、2015年時のランキングに入っている都道府県の2030年時データである。
人口の増減率で見ると、全国的に東北地方・四国地方の都道府県の減少率が大きいです。その為、これらの都道府県はマーケットの魅力の低下度合いが大きいと言えます。理由は様々ありますが、例えば秋田県は出生率が低いと同時に死亡率が高い傾向にあります。同時に、県外への流出傾向も強いことから減少率が高くなっている可能性が高いです。
出典:総務省『国勢調査』
都道府県別に見た人口の減少傾向は、ビジネスの仕方に大きく影響を与えます。例えば、100万人を切る都道府県の場合、ビジネスを行う単位として見ることが出来なくなる可能性があります。その為、支店の設置を県別ではなく中規模の地域単位で行って事業拠点を統合するなど、マーケット運営の効率化が進みます。それに伴い、リモートワークなど社員の働き方を変えなければならない必要性が生じます。特に、人口減少率が高い都道府県の場合、今後急速にマーケットとしての魅力が失われますので、組織の在り方を早急に考えなければなりません。
また、都市一極集中の傾向によって、地域間の物価差がより大きくなる可能性もあります。その為、社員の給与を働く地域によってコントロールがすることが必須となります。
以上